経済危機の難局を乗り越え
挑戦する組織力を目指す。

 

広島急送株式会社様(広島県広島市)

登場人物(2025年5月取材当時)

広島急送株式会社 代表取締役 實光 広宣様

UDトラックス株式会社 広島地域営業部 カスタマーアドバイザー 田中 伸幸

広島急送株式会社・代表取締役の實光様。社員数210名を率いる2代目社長に就任して17年目「。誠意・創意・熱意・敬意」を企業理念として積極的に行動し、あらゆることに挑戦する組織づくりを実行。創業60周年を目前に、「共同配送システム」を構築するなど、多角的で柔軟な経営を目指している。

カスタマーアドバイザー(CA)の田中。多種多様な車両を保有され、UDトラックスの車両を導入していただいている大切なお客様・広島急送の担当になって、すでに14年を越える。高く評価していただいている姿勢を崩さず、今後もアフターサービスを軸として迅速に対応したいと語る。

広島県広島市に本社を置き、中国5県のみならず全国へ長距離輸送。BtoBの物流に特化し、依頼主のニーズに応じた最適な輸送方法で一貫した物流サービスを提供されている、広島急送株式会社様。今回、様々な経済危機の難局を乗り越えられてきたその手腕と行動力、そしてUDトラックスとの深い関わりについて、当社の田中が社長の實光様にお伺いしました。

 

多種多様な車両を保有し物流の効率化と合理化を実現

(田中)まず最初に、御社の事業内容について、特にUDの大型車両を使った業務内容についても詳しくお聞かせください。

(實光)車両台数としては、トラクターヘッドとトレーラーを合わせて42台、その他に大型トラックが92台、高圧ガスローリーの特殊車両が20台ほどあります。そのうち、UDトラックスの大型車両は半分以上を占めていますね。メインの輸送品目としては、石油化学製品やプラスチックの原材料になる樹脂製品。あとは紙製品や地場の自動車部品など。基本的には、BtoBの物流に関しての品目を主に扱っています。輸送エリアは、遠くは関東まで走っています。グループ会社で共同輸送を行い、協力体制でネットワークを敷いているのが当社の強みです。

(田中)直近ですと、大型低床ウイングのQuon(クオン)CGを2024年の12月に納めさせていただきました。年間の車両代替計画を社長の方ですでに立てられていますので、そちらをお聞きし、きちんとお応えできるよう尽力しております。

 

リーマン・ショックでの逆境から事業再興の逆転劇へ

(田中)社長就任後は、大変なご苦労や不安な日々を過ごされたと伺っております。その後の業績回復の要因や、会社の存続をかけた施策やアイデアがあるとお聞きしましたが、どういった挑戦だったのでしょうか。

(實光)2代目として社長に就任したのが2008年の3月でした。そのわずか半年後に、史上最大級の世界的な金融・経済危機であるリーマン・ショックに、日本も見舞われました。取引先企業に及んだ影響は絶大で、当社も12月に入ってトラック20台分の仕事量が一気に無くなってしまいました。

(田中)初期段階としては、どういった対策を講じられたのでしょうか。

(實光)ここ広島は自動車関連産業の地域でもあり、かなりの大打撃を受けました。通常の仕事量が維持できないという状況下になったので、「雇用調整助成金」で半年間を一時的にしのぎました。ただ従業員の士気やモチベーションはかなり下がっていましたので、彼らの元気を取り戻すためにも次の一手を模索し始めましたね。

(田中)具体的には、どんな施策でリーマン・ショックを乗り越えられたのでしょうか。

(實光)周辺の同業他社では、雇用を確保するために仕事を分け合うワークシェアリングで乗り切る動きが目立ちました。しかし当社は、乗務パターンの見直しや配置換えで、ドライバーの収入減を避ける方法を探りました。減車やリストラをせずに、全車両を通常稼働するという形をとりましたね。多くの従業員が配置転換に応じてくれて、本当に感謝しています。半年に満たないうちに助成金の取得を止め、ワークシェアリングをせず全員で努力して仕事を確保することで改善していきました。売り上げ的には落ち込みがありましたが、利益の部分では比較的回収できたという自負があり、会社としては健全経営ができるのだと、この時に確信しましたね。その後も、2011 年の東日本大震災や、2018年の西日本豪雨での大災害時も輸送量が著しく減りましたが、危機が起きる度に成長していき、お客様がお客様を呼び込む体質の会社になりました。窮地や修羅場に追い込まれる程に、不屈のメンタルが培われ、機動力・提案力・実行力がさらに強くなるのだろうと思っています。

UD車両の導入が40年を越える広島急送様には、歴代の車両がずらり。(右)日産ディーゼル社時代の地球環境に優しいビッグサム。(中)生産性をより高めた大型トラックへと変貌した2014年型Quon。(左)最先端のイージードライブを実現する、最新型Quonまで。これからも、ユーザーの信頼に変わることなく応える車両の提供を目指す。

一般貨物運送だけでなく倉庫業務や、タンクローリー車による高圧ガスの特殊輸送にも力を入れ、これら3本柱で事業を拡充。他の運送会社では見られない営業種目を切り盛りする、本社営業所の面々。様々なことに挑戦する組織づくりを目指し、笑顔いっぱいで、明るく楽しく元気に満ちた職場である。

業務のクラウド化に投資物流のDX化にチャレンジ

(田中)経営をより改善し、絶えず工夫をし続ける御社ですが、ITなどを活用した事例についてお聞かせください。

(實光)今の時代は、アナログからデジタル時代に変化し、ITを活用した労務管理の効率化が求められています。昨年はデジタルタコグラフ、点呼システムや経理システムをクラウド化して、在宅勤務への対応が可能な体制を整えました。物流のDX化には、更なる労務管理の強化と効率化を促す車両運行管理システムの刷新や、お客様情報の自動集計・自動読込システムを導入。今年は倉庫の運用システムのアップグレードを計画準備中です。2024 年4月以降のトラック運転者の改善基準告示を受け、コンプライアンス遵守に注力し、労務管理の充実を図っていきたいと考えています。

 

ビジネスパートナーとしてUDトラックスが全力サポート

(田中)最後になりますが、實光社長が抱えられている現状の経営課題や、これからの企業展望などをぜひお聞かせください。

(實光)今後の大きな課題は、ドライバーを含む人材の確保だと考えています。そのための、広島急送のブランドづくりを早急に進めています。具体的には、テレビCMやラジオCMを戦略的に投下したり、積極的に最新モデルへの代替えを行い、乗務するトラックは新車が多いというイメージを強化したりと、企業イメージをアップするために色々と試行錯誤を重ねているのが現状です。2025 年2 月には、さらに新拠点を開設しました。多くのドライバーが確保できる体制づくりを構築し、従業員の幸せをどう成長させていくかが、経営者の今後の課題だと思っています。

(田中)UD車両を古くから多くご愛顧いただき誠にありがとうございます。創業60周年を目前に控える広島急送様のビジネスのさらなるご成功とご発展に向けて、お役に立てる提案をいち早くご用意し、経営課題解決のお手伝いができましたら幸いです。實光様、本日は誠にありがとうございました。

UDトラックス創立90周年に向けた

お客様からのメッセージ

UDトラックスとは、優に40年を越える長いお付き合いとなります。大型車両を多く導入しておりますが、理由としては「環境対策車」をいち早くつくり始めたことにあります。例えば、低公害と低燃費を両立した「尿素SCRシステム」を、大型トラックとして世界ではじめて採用していること。そして同時期の2004年に、初代のQuonを発表されました。長距離輸送の大型車両はすべて環境規制の対象になるのを見越して、Quonのマイナーチェンジやフルモデルチェンジごとに、積極的に増車した経緯があります。UDアクティブステアリングやESCOT、サービスの車両メンテナンスの対応など、あらゆる面で他社メーカーと比較して高い評価です。長く車両を使わせていただき、本当にいいトラックだなと実感しており、UD車両を選択して良かったと思います。そしてUDトラックスも運送会社も共に元気に成長し、いつまでも求心力のある企業であってほしいと願っています。創立90周年という長い年月をずっと頑張ってこられたのも、そうした企業努力やこれまでの実績があるからこそだと思っていますし、心から応援しています。

広島急送株式会社:広島市を拠点とし、倉庫への入庫なしに直接配送をするスルー配送や共同配送など、合理性を追求したBtoBの物流に特化した広島急送。あらゆる可能性を視野に入れ、お客様の多種多様なニーズと要件に最適な方法で、積込から搬入まで一貫した物流サービスを提供し、安定した経営基盤を築いている。

広島県広島市安佐北区口田町873-8